金沢ニューグランドホテルでは、朝からスタッフが、予約状況を確認する客や、すでに予約していた日程について支援が適用されるよう変更手続きを求める客の対応に追われていました。
旅行需要の掘り起こしを目指す「全国旅行支援」は、東京都を除く46道府県で11日から始まり、地域クーポンと合わせて、1人1泊あたり最大で1万1000円分の補助が受けられます。
こちらのホテルでは、今年8月から予約が増え、今月の客室稼働率は去年の同じ時期と比べて3倍、コロナ禍前の2019年とほぼ同じ水準です。
また、11日から外国人の個人旅行も解禁され、インバウンド需要の高まりも実感しています。
輪島市の朝市通り。3連休が終わり、にぎわいはやや落ち着いたものの、11日も午前中から観光客が買い物などを楽しむ姿が見られました。輪島市朝市組合の関係者は、今週末からのにぎわいの回復に期待しています。
一方、旅行商品を取り扱う金沢市内の旅行会社、ヴァケーション。こちらも午前中から、「全国旅行支援」に関する問い合わせの対応に追われていました。
感染状況が比較的、落ち着いてきたことと「全国旅行支援」による旅行需要の高まり。旅行業界にとっては追い風となりますが、喜んでばかりはいられない事情もあるようです。
11日から始まった「全国旅行支援」地域経済は本格的な回復へと向かうことができるのでしょうか。
「全国旅行支援」の内容をまとめました。東京を除く46の道府県は11日から始まり、東京都は20日に始まります。期間は12月下旬までです。宿泊施設のみの利用や日帰り旅行では1人1泊あたり5000円を上限に、宿泊と公共交通機関がセットになった旅行商品では1人1泊あたり8000円を上限に、いずれも料金の40%が割り引きとなります。
さらに、旅行先での買い物や飲食に利用できる地域クーポンが1人あたり平日は3000円分、休日は1000円分受け取ることができます。このため、最大で1人1泊あたり、1万1000円分の補助が受けられます。
全国旅行支援を利用するには、新型コロナのワクチンを3回接種していること、または、検査による陰性証明の提出が必要です。
全国旅行支援が新型コロナで冷え込む地域経済の回復につながるか。また、11日から新型コロナの水際対策も大幅に緩和されましたので、今後、インバウンド需要が回復していくかも注目されます。